LINE公式アカウントの友だち追加キャンペーンとは? 種類などを解説
友だち追加キャンペーンとは、ユーザーがLINE公式アカウントを友だちに追加する行為を条件に、特典や体験を提供して集客と関係構築を目指す施策のひとつです。
タップ一つで参加できる手軽さとメッセージ配信を前提にした継続的な接点づくりが同時に成立します。来店やEC購入へつながる導線を設計すれば、短期の件数増と中長期のLTV向上を両立しやすいでしょう。
LINEでは、この友だち追加キャンペーンのほかにも実施可能なキャンペーンがいくつかあります。この章では、友だち追加キャンペーンを中心に、LINE公式アカウントを使ったキャンペーンについて紹介します。
集客などLINE公式アカウントの主なキャンペーン実施の目的
キャンペーンの目的の言語化はキャンペーン設計をするための出発点です。なぜLINEでキャンペーンを実施するのかを明確にしましょう。代表的な目的は以下のとおりです。
- LINEキャンペーンの主な目的
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- 新規顧客の獲得/顧客エンゲージメントの改善・強化
- 商品の売り上げアップや店舗への集客
- 人気商品や顧客情報に関する調査
どんな目的を達成したいのかによって、実施するキャンペーンが変わります。たとえばエンゲージメントの改善であれば、自動応答やリッチメニューなどを連動させ、ユーザーが迷わず次の体験に進める導線を整える必要があります。
ただし、施策を局所的に考えてしまうと、思ったような結果が出ないこともあるため、注意が必要です。エンゲージメント改善のためにメッセージなどの配信量を多くする施策の場合、配信の量を過剰にするとユーザーからのブロック率が上がり、せっかくの獲得が無駄になるリスクを無視できません。
キャンペーンは複合的な目的を達成するために行われることもあるので、あらかじめ目的は明確にしましょう。
人気投票や抽選などLINE公式アカウントのキャンペーンの種類
LINE公式アカウントの機能では、友だち追加キャンペーン以外にも、さまざまなキャンペーンを実施できます。
抽選/インスタントウィン
商品の人気投票
キャンペーンは、達成したい目的に合わせて選択しましょう。たとえば、友だち追加キャンペーンであれば、新規顧客を獲得したい際に効果を期待できます。友だち追加をするとプレゼントやクーポンなどの特典が提供されるため、新規顧客へのリーチと顧客基盤の拡大を実現できます。
プレゼント・特典の種類
友だち追加や抽選などによりユーザーが獲得できるプレゼント・特典はさまざまありますが、代表的なものは以下のとおりです。
- 代表的なプレゼント・特典
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- 割引などのクーポン
- 景品として自社製品などの提供
- デジタル特典
- ポイント付与
よくある特典は、割引などのクーポンです。クーポンは登録率を押し上げやすく、初回の来店や購入に効果的です。ただし割引率を過度に上げると利益率を圧迫するため、初回限定や曜日限定などの条件で調整しましょう。
ここまで、友だち追加キャンペーンを中心にLINE公式アカウントを使ったキャンペーンについて説明しました。次の章では、オープンキャンペーンとクローズドキャンペーンの主に2つに分けて、LINE公式アカウントのキャンペーン事例を紹介します。
友だち追加などオープン/クローズドキャンペーンの事例
LINE公式アカウントを使ったキャンペーンにより、新規顧客の獲得や売上の促進を図ることができますが、LINEで実施できるキャンペーンは主に2つの形式があります。
オープンキャンペーン
クローズドキャンペーン
オープンキャンペーンはLINEアカウントを取得していれば誰でも参加できるキャンペーンのことで、ブランド認知の拡大や新規顧客の獲得などを目的としています。友だち追加キャンペーンもこのオープンキャンペーンのひとつです。
対して、クローズドキャンペーンは友だち追加だけでなく、商品購入など特定の条件を満たしたユーザーの参加できるキャンペーンのことです。既存顧客のエンゲージメントの改善・強化などを目的としています。
オープンキャンペーンの成功事例
あるショッピングモールは、LINE公式アカウントの友だち追加をすることによって、抽選で最大数万円のデジタルギフト券をプレゼントするキャンペーンを実施しました。
プレゼントとして最大数万円という大きな金額を設定することで、ユーザーがLINE公式アカウントを友だちに追加する動機を与えつつ、使いやすいデジタルギフト券を配布することで、当選者はショッピングモールなどで好きなものを購入できます。
キャンペーンの実施側としては、認知の拡大をしながら、実際に足を運んでもらえるような施策であり、よいオープンキャンペーンの実例です。
クローズドキャンペーンの成功事例
ヘルスケアや健康食品などを販売する企業が、自社製品を購入した顧客を対象に、レシートキャンペーンを実施した事例があります。先着順で、購入金額に応じたLINEポイントを付与しました。
ユーザーは対象となる製品を購入した場合、購入したことを証明するレシートを撮影し、専用のフォームから応募することで、キャンペーンに参加することができます。
対象の製品を購入すればするほどLINEポイントを獲得できるため、製品の販売促進につながるほか、対象製品の宣伝にもつながるという製品の認知拡大も達成することができるキャンペーンでした。
ここまで、オープンキャンペーンとクローズドキャンペーンの違いと事例について説明しました。2つの形式の違いを把握しておくことで、ターゲットとしたい顧客に効果的なキャンペーンを実施することができるようになるでしょう。次の章では、オープンキャンペーンのひとつとして紹介した友だち追加キャンペーンのメリット、デメリットについて紹介します。
メリット・デメリットは?|友だち追加キャンペーンのポイント
前の章でLINE公式アカウントの友だち追加キャンペーンはオープンキャンペーンのひとつと説明しましたが、友だち追加キャンペーンにはメリットとデメリットがあります。それぞれ3つ紹介します。
メリット1. 新規ユーザーへのリーチと新規顧客の獲得
LINEの利用者にアプローチできるため、これまで接点のなかったユーザーがキャンペーンをきっかけに企業や製品について知る機会を提供できます。また、ユーザーとの新たなコミュニケーションチャネルを開拓できるため、将来的な接点を生みだす可能性があります。
メリット2. エンゲージメントの改善・強化
LINE公式アカウントを友だち追加してもらえれば、ユーザーに対してキャンペーン情報やメッセージなどを個別で定期的に送ることができます。定期的なメッセージは、ユーザーに情報が届けやすく、ほかのメディアと比べてもユーザーのエンゲージメント改善や強化を期待できます。
メリット3. 低コストでのキャンペーン実施
一度友だち追加をしてもらえれば、出稿費用をかけずにメッセージを送ることができます。その結果、基本的にかかる費用はプレゼントや特典などのコストのみとなり、低コストでマーケティング施策を実行できるでしょう。
デメリット1.友だち追加までの障壁
コストが低いというメリットがあるからこそ、競合も参入しやすいデメリットがあります。他の企業もLINEキャンペーンを実施しているため、友だち追加をする価値が十分にあるとユーザーに思ってもらわなければなりません。この点が難しいため、思ったような結果が出ないこともあるでしょう。
デメリット2. 友だちの維持にかかる手間
ユーザーが友だち追加をしてくれたとしても、それは追加の動機となったプレゼントや特典目当てであるケースもあります。このようなユーザーはプレゼントや特典が手に入った後はアカウントをブロックしたり、友だち解除をしたりすることもあります。友だち追加後もコミュニケーションを取ることを目的としていた場合、思うような成果を得られないでしょう。
デメリット3. 他メディアと比べたときの拡散力
個別でメッセージを送れることは、ユーザーの目に止まりやすくなるというメリットがある反面、InstagramやTikTok、X(Twitter)などと比べると拡散力に劣るため、他のメディアと比べるとブランド認知拡大などの効果は限定的にとどまる可能性があります。
ここまで、LINE公式アカウントの友だち追加キャンペーンのメリット・デメリットを説明しました。メリット・デメリットを把握することで、友だち追加キャンペーンを実施することによって目的を実現できるのか判別がつきやすくなります。次の章では、実際のキャンペーン設計方法と実施方法などについて紹介します。
キャンペーンの効果的な設計や実施・分析方法を紹介

キャンペーンで結果を出すには、事前の準備と実際の実施方法を把握している必要があります。この章では、キャンペーンの効果的な設計と実施・分析方法について解説します。
LINEを活用する目的やターゲットの明確化
まずはキャンペーン実施の目的を確認しましょう。たとえば、新規顧客へのリーチを広げるためや、新規顧客の獲得、来店への誘導、売上の向上など、事業の課題に応じて実現したいことが変わってきます。
目的を明確にしたら、ターゲットを明確化する必要があります。年齢層や性別などの属性のほか、新規顧客を増やすためなのか、既存顧客のエンゲージメントを高めるためなのかによって、実施するキャンペーンも左右されるからです。
以上を確認したら、それを達成するのにLINE公式アカウントを使って施策を実施するのが効果的なのかを検討しましょう。たとえば、新規顧客へのリーチを広げることが目的の場合、ターゲットによってはLINEよりもふさわしいメディアがあるかもしれません。
数値的な目標の決定
目的やターゲットを明確にしたら、目標として具体的な数値を設定するのがおすすめです。たとえば、検討の結果LINEの友だち追加キャンペーンを実施することになった場合、友だち追加者を5000人にするといった数値にすることで、のちの分析や効果測定をする際に役に立ちます。
LINE公式アカウントによるキャンペーン内容の確定
キャンペーンの具体的な実施内容を確定する段階です。友だち追加キャンペーンを実施するのであれば、キャンペーンの実施期間はいつからいつまでかといったことや、参加ユーザーへのプレゼントや特典を何にするか、ユーザーはどのようにしてプレゼントや特典を受け取れるのかなどの検討事項があります。
LINE公式アカウントでキャンペーンの新規作成
LINE公式アカウントの管理画面「メッセージ配信」>「キャンペーン」からキャンペーンを作成することができます。
キャンペーン名を設定し、キャンペーンを作成した後に、「メッセージ配信」>「メッセージを作成」からメッセージを作成することができます。作成画面では、「高度な設定」から「キャンペーンを設定」にチェックをし、作成したキャンペーンを選択・設定のうえ、「配信」を押すことでメッセージの配信が可能です。
分析・効果測定
「キャンペーンを設定」にすることで、管理画面の「分析」タブからデフォルトで設定されている測定項目に関する数値を確認することができます。項目には「開封数」「クリック数」「開封率」「クリック率」などがあります。定期的に確認することで、配信するコンテンツの改善に役立てましょう。
ここまで、キャンペーンの効果的な設計と実施・分析方法について説明しました。次の章では、友だち追加キャンペーン後もLINE公式アカウントを活用して販促力を高めるための方法について紹介します。
友だち追加キャンペーンで販促力を高める方法
前の章では、キャンペーンの設計方法と実施・分析方法について解説しましたが、この章では、キャンペーン実施の効果を最大限に高めるための工夫やキャンペーン後に行うべきフォローアップについて紹介します。
友だち登録を促進する設定の工夫
友だち追加キャンペーンの成功には、ユーザーが登録したくなるような魅力的なプレゼントや特典の提供が重要ですが、どんなプレゼントや特典がターゲットユーザーに刺さるかを考えましょう。
例えば、登録時の割引クーポンや期間限定のオファーを明確に示せれば、友だち追加をするとどんなメリットがあるのか、ユーザーも想像がつきやすくなります。
また、すぐに使えるようなプレゼント・特典を用意することや、限定感を演出することで、キャンペーンへの参加を促せます。ほかにも、キャンペーン参加のプロセスをシンプルかつスムーズにすることで、友だち追加直後の離脱率の低下も期待できるでしょう。二次元コードやURLリンクを活用し、キャンペーンサイトに簡単にアクセスできる工夫などを取り入れてください。
効果的な情報配信で参加を促す
キャンペーン参加を促進するためには、定期的な情報配信が鍵となります。新商品の告知やキャンペーンの進捗状況、さらにはユーザーの興味を引くコンテンツを配信することで、LINE公式アカウントを通じたエンゲージメントを高めることができます。また、ユーザーからのフィードバックを積極的に受け入れ、コミュニケーションを双方向にすることも、信頼関係を築く上で有効です。
キャンペーン後のフォローアップ|成功への鍵
キャンペーンを実施した後には、離脱やブロックを防ぐための継続的な関係を構築できるアカウント運用の設計が重要です。定期的に有益な情報やお得な特典、メッセージの配信などをしましょう。
そういった細やかなコミュニケーションは、ユーザーに対する継続的なエンゲージメント強化を目指せるだけでなく、ユーザーの行動履歴や属性などのデータが集めることができます。集めたデータは、今後のコンテンツを作成するのに活用しましょう。季節限定キャンペーンなどを断続的に実施することも効果的です。
まとめ
LINE友だち追加キャンペーンは、多くの企業が顧客との関係を深め、販促活動を強化するために活用しています。この記事を通じて、キャンペーンの目的設定から実施、そして効果分析までの流れを理解することで、効果的なキャンペーンを実現する手助けになったのではないでしょうか。
特に、目的とターゲットを明確にし、適切なキャンペーン内容を設定することが成功の鍵です。これを機に、ぜひ自社のビジネスに合わせたLINE友だち追加キャンペーンを実施し、新たな顧客とのつながりを築いてみてください。
